フジヨネ薬局新聞 2018年2月号

2018年
2月号         フジヨネ薬局新聞
 皆さんこんにちは。今月は『慢性炎症』について触れていきたいと思いますが、その前に『炎症』について説明していこうと思います。
 寒いこの時期に起こる”シモヤケ”を例にすると、”シモヤケ”の部分は充血して赤くなり、やや熱感を持ち、腫れて痛みを感じるようになります。このような症状は、傷ついた部分の組織が反応したために起こるもので、これが炎症とよばれる状態です。この「赤くなる」「熱くなる」「腫れる」「痛みが出る」この四つの条件を『炎症の四主徴』と呼びます。
 炎症を起こしている部分では、「炎症の四主徴」をともない次第に炎症症状が進んでいきます。しかし、通常の場合、これらの症状はしばらくして治まります。このような炎症反応が進行する過程において、死んだ細胞や細菌は除去され、シモヤケが起きた皮膚の組織は再生し治癒します。
 また、炎症には『急性炎症』と『慢性炎症』の二つのタイプがあり「急性炎症」は上記のように比較的早期に収束する炎症のことを言います。一方、「慢性炎症」はその特徴を明確に定義することは難しく、大ざっぱに言うと、急性炎症が収束しないで慢性化するタイプと、明確な急性炎症の徴候を示さないまま、くすぶる様な形で炎症が慢性化するタイプがあります。言い換えるなら、急性炎症は自然界で生き抜いていくため、生物に本来備わっている自己防衛反応で、慢性炎症は炎症自体がさらに炎症の状態を継続・慢性化させ、もっぱら自分自身を傷つける自己破壊的な反応とも言えます。そして、現在、膨らみ続ける医療費は、この『慢性炎症が』もたらすと言っても過言ではないと思います。